Yチェア(CH24)のシート高 43cm(日本サイズ)と45cm(標準サイズ)の違い
北欧デザインを代表する名作チェア「Yチェア(CH24)」に憧れを持っている方も多いのではないでしょうか。
ハンス J.ウェグナーによってデザインされたYチェアは背を支える支柱のYの字が特徴的で、世界で最も販売されたチェアとしても有名です。
さてそんなYチェアですが、現在日本国内では、座面の高さが45cmと43cmで販売されているのはご存知でしょうか。1949年の発売当初は、43cmの座高でデザインされ日本でも43cm(通称:日本サイズ)が販売されていましたが、時代とともに世界中の人々の身長や体型が変化したことに伴い標準のシート高(座面高)は世界共通で45cm(標準サイズ)に変更されました。
現在ではオリジナルサイズの43cmはオプションでの扱いとなっておりますが、小柄な体型の方に広く愛用されています。Yチェアの購入の際に座面の高さに悩まれ、お問い合わせを頂くことも多くありますので、今回は2つのプロダクトを実際に比較してみました。
いかがでしょうか?アームの高さや前脚を見ていただくと全体の高さが変わっているのが分かります。CH36などのチェアは脚は真っ直ぐに作られていますが、Yチェアの脚は地面に向けて細くなるようにデザインされています。
この意匠こそ、チェア全体を美しく見せ、Yチェアらしい柔らかさを感じさせてくれるのです。
SH45cmとSH43cmを選ぶときのポイント
SH45cm
・72cm以上のテーブルと合わせる場合
・身長が高い方
・国内に在庫している場合が多いので比較的短納期
SH43cm
・72cm以下のテーブルと合わせる場合
・テーブル下部のスペースに余裕が欲しい方
・体型が小柄な方やご年配の方
・シートクッションで調節も出来る
・すでにSH43cmをご使用中で追加で購入されたい場合
・納期に余裕がある方
SH45cmとSH43cmを座り比べてみました
それでは、実際にそれぞれのチェアに座って比べてみましょう。
身長154センチ 女性の場合
45cm仕様は踵が少し浮いているのが分かります。踵が浮いていることで、お尻から太もも裏の部分に圧迫を感じました。座った際に足の裏が地面につかないと、姿勢が崩れやすく、肩こりや頭痛、疲れの原因に繋がります。
次に43cm仕様を見てみると、踵がしっかりと床についています。体のバランスが保たれ、安定した姿勢で座ることができました。体重がうまく足裏にも分散され、身体への負担が軽くなります。
たった2cmの違いですが、座り心地が大きく変わってくることが分かります。
ここで、自分の伸長に合った椅子の理想の高さを求める計算式がございますので、ご紹介します。計算式は「(身長 × 0.25)-1」となっておりますので、ご自身の身長にあてはめて計算して見てください。
想像よりも低い数値が出て来た方も多いのではないでしょうか。
心地よく座るための大切なポイント「差尺」
次にテーブルと合わせてみました。
テーブル高(天板までの高さ)は製品によってもちろん異なりますが、日本製に多く見られる70cmをベースに考えると、海外製のメーカーでは少し高く、北欧では72cm、イタリアなどでは75cmのテーブルなどが一般的ではないでしょうか。
心地よく座るためには、差尺(さじゃく)も大切なポイントになってきます。
「差尺」とはテーブルの天板(上部)と椅子の座面の高さとの差のことを良います。
この差尺は約27cm〜30cm程が適切と言われていますので、座面の高さを決める際の参考にして見て下さい。
実際にYチェアとテーブルを組み合わせてみたので、バランスなどを見ていただきコーディネートの参考にしてください。
高さ70cmのテーブルと合わせた場合
組み合わせテーブル
マルニ木工 MALTA(マルタ) ダイニングテーブル
サイズ:W180×D85×H70cm
高さ72cmのテーブルと合わせた場合
組み合わせテーブル
カール・ハンセン&サン CH006 伸長式 ダイニングテーブル
サイズ:W138-236×D90×H72cm
高さ75cmのデスクと合わせた場合
組み合わせデスク
アルテック KAARI DESK(カアリデスク) REB005
サイズ:W150×D65×H75cm
この際、もうひとつ注目して欲しいのが、テーブル下部の構造や空間です。例えば、テーブルの幕板や補強材の構造にもよりますが、テーブル下部の空間は45cm仕様のチェアを合わせると、43cmサイズと比べて単純に2cm空間が狭くなってしまいます。
CH006 ダイニングテーブルと組み合わせた場合
BA103 ダイニングテーブルと組み合わせた場合
テーブルの幕板下部高や脚間についてはまた別の機会にお話させていただきますが、よく足を組んで座る方は、テーブルとの相性によっては窮屈に感じるのであらかじめご注意ください。
高さ調整にもおすすめのYチェア専用クッション
少し高さを調整したいなら、Yチェア専用クッションがおすすめです。
レザークッションやアトラクト・オリジナルクッションを販売しており、厚みは約3cmとなっています。より柔らかな座り心地となり、またペーパーコードの摩擦を減らすことができるので寿命も伸ばすことができます。
*両面ともにレザー仕立ての贅沢なクッションは、このシートの為だけに取扱っている「ピグメントレザー(LOKE)」を使用しています。ピグメントレザーは、顔料仕上げとなっており、他の仕上げに比べて変化しにくい性質なので、メンテナンス性に優れています。
*Yチェアの為につくったアトラクト・オリジナル シートクッションです。デンマークの老舗テキスタイルメーカー、Kvadrat(クヴァドラ)社の豊富な生地の中から「Hallingdal 65(ハリンダル)」を両面に使用しており、リバーシブルでご使用いただけます。中材には、数あるウレタン素材の中から選んだ、程良い弾力性のある素材を使用。レザークッションとほぼ同じ約3cmの厚みに仕上げ、クッション性を追究しました。
座面高43cmは受注生産品
通常仕様の45cmは、国内メーカー在庫があれば2〜3週間程度でのお届けとなりますが、43cm仕様は、オーク(オイル仕上げ)を除き、海外での生産となりますので、約5〜6.5ヶ月程度お時間がかかり、また、製品の価格に加えまして、別途11,000円(税込)が必要となりますが、長く使い続けることができるチェアですので、座面の高さも拘ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は人気のYチェアの座面の高さにスポットを当ててご紹介しました。
毎日使う家具だからこそ、自分の身体にあったチェアを選ぶことが大切になってきます。
先にお話したとおり、シート高43cmのサイズは本国デンマークで製造している為、オーダーいただいてからお時間を頂戴してしまいますが、定期的に当店にも入荷しておりますので、ご希望の方は一度お問い合わせください。
そして、上の写真でも分かるように、Yチェアが最も美しいのはこの後ろから見た姿です。
単体でも優美なプロポーションですが、テーブルと組み合わすことで本来の椅子らしい佇まいは他には真似の出来ない唯一無二のチェアです。
シート高とテーブル高との差尺ももちろん大切ですが、まずはあまり深く考えずにご自宅のテーブルにマッチするか?どこで誰が使うか?を考えてみると、テーブルとチェアとのコーディネイトがもっと楽しくなると思います。
これからダイニング環境を設ける方や座面の高さで悩まれている方は、ぜひ参考にして見て下さい。
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この記事を書いた人 アトラクト 四国の高知にある㈲アトラクトは、ラルゴ店とイーエム店の実店舗2店舗と、オフィシャル・オンラインショップおよび楽天市場・Yahoo!ショッピングにてオンラインビジネスも展開する会社です。北欧家具をはじめとするインターナショナルなラグジュアリーブランドの他、インテリアからファッション、デザイン雑貨に至るまで、機能美とデザイン性を重視した厳選商品を取り扱い、それぞれの持ち場でプロフェッショナルを目指して日々精進しています。