ルイスポールセン PH 5・PH 5 Miniをラウンドテーブルの直径に着目して比較しました。「ラウンドテーブル編」
創業当初から変わらず、光の質と高いデザイン性を追求し、たくさんの名作を生み出してきた北欧の照明ブランド「Louis Poulsen（ルイスポールセン）」。
日本でも大変人気の照明メーカーで、中でも不朽の名作と言われているのが、1958年にPoul Henningsen（ポール・ヘニングセン）によって開発されたペンダントランプ「PH 5」です。
大小5枚のシェードが組み合わされた特徴的なデザインはインテリアとして美しいだけでなく、不快な眩しさを感じさせないグレア・フリーの光を周囲に届けるように設計されています。
PH 5には、メインシェードのサイズが直径50cmの通常モデルと、直径30cmのコンパクトモデル、「PH 5 Mini」の2種類があります。
インテリアの中で照明の存在感を出したい時は、通常モデルの「PH 5」がおすすめです。作業を行うスペースの明るさは十分に確保しつつ、目に心地良い光が周囲をほんのりと照らして落ち着いた癒しの空間を演出してくれます。
「PH 5 Mini」は、空間のアクセントとしてインテリアに花を添えてくれます。1灯での使用はもちろん、コンパクト化されたことで複数並べたり高さを変えて吊るす等、コーディネートの幅も広がります。
どちらもインテリアに取り入れやすいサイズで、部屋の広さや使用シーンに合わせて選ぶことができます。
定番の使い方はダイニングテーブルでの活用です。設置する高さは、シェードの最下部がテーブルの天板から60cm〜70cmの位置が推奨されています。座った時にライトが目線の少し上に来るように調整すると、ちょうど良い高さとなります。
前回の「長方形・楕円テーブル編」に引き続いて、今回は当店でも人気の高いラウンドテーブルの数々と、PH 5シリーズを実際に組み合わせ、ベストなサイズ関係を探っていきたいと思います。
HAY CPH 20との組み合わせ
現代を代表するブランドの一つとなったデンマークブランド、HAYのアイコン的アイテムと言えるCPH 20 ラウンドテーブルのサイズ（直径）は90センチあります。2〜3人で座るにはちょうど良いコンパクトなサイズ感なので、カフェテーブルとしてお使い頂いてもピッタリです。
PH 5と組み合わせた場合
通常サイズのPH 5のサイズ（直径）は50センチありますので、CPH 20のテーブルの半径を超えた大きめなサイズ感です。実際に合わせてみると、光はテーブルの隅まで光源の直下に近いようなはっきりとした採光が取れています。
照明のサイズ（直径）を考える際の目安として、照明の光が広がる範囲は照明のサイズ（直径）の約3倍と言われています。したがって、この組み合わせでは光の届く範囲は、CPH 20の天板のサイズ（直径）を超えていることになります。
PH 5は光が強くともグレアが発生しない構造になっており、目に不快なチラつきも無いのでシェードのサイズ（直径）が大きくても意外と光が強すぎると言う感覚はなく、柔らかく温かい光だと感じました。
なので光の見え方としては、器具が大きくとも問題なく使っていただける照明であるのは、PH5のシリーズの魅力の一つなのではないでしょうか。
ただ、フォルムのバランス面で言うとPH 5の通常サイズでは少し大きいと感じる方もおられるかもしれません。照明自体の造形美を楽しみたいお客様には、よりフォルムの特徴が強調される組み合わせとなっておりますので、オススメです。
PH 5 Miniと組み合わせた場合
サイズ（直径）が30センチほどと小さめなサイズのPH 5 Miniですが、CPH 20のサイズ（直径）のテーブルはしっかりと光が隅のほうまで柔らかく広がり、組み合わせとしてはベストにマッチしているのがわかります。
光の届く範囲は、PH 5 Miniのサイズで計算した場合、3倍の大きさの90センチとなっておりますので、ちょうどCPH 20の直径と同じサイズとなります。
よって、この組み合わせに関してはベストな組み合わせと言えると思います。シェードもコンパクトな為、頭上に圧迫感を感じることもありませんし、フォルムのバランス関係も美しいです。
カール・ハンセン&サン BA103との組み合わせ
Hans J.Wegner（ハンス J.ウェグナー）のデザインした家具を世界で最も取り扱っていることでも有名な、デンマークブランドのカール・ハンセン&サン。テーブルの中でも、特に当店で人気なのが、このBA103です。BA103のサイズ（直径）は110㎝あり、2人〜4人ほどで座るにはちょうど良いサイズ感です。
PH 5と組み合わせた場合
通常サイズのPH 5だと、余裕のある照度で照らしていただけます。テーブルの隅まではもちろん、チェアのアーム部や座面の辺りまで柔らかく光は広がり、ダイニングセットが美しく見えます。また、フォルム同士のバランス感もこのサイズのテーブルから取れてくるように思います。
PH 5 Miniと組み合わせた場合
PH 5 Miniと組み合わせた様子は、このサイズ感でも意外と光は必要な範囲に広がり、暗いと感じることはありません。テーブルの隅のほうの光は薄れてやんわりとした広がり方となっておりますが、ダイニングテーブルとして使用することを考えると、手元の料理などに陰影ができやすくなってしまう為、一考の余地のある明かりだと感じました。
リーン・ロゼ ロゼエンネアとの組み合わせ
ロゼトーゴ ソファでも有名なフランスの歴史あるブランド、リーン ロゼ。ダイニングテーブルの中でもとりわけ人気が高い、ロゼエンネア テーブルと組み合わせてみました。
エンネアテーブルはサイズ（直径）が120センチの天板と、130センチの天板の2種類があります。120センチだと、最大5名ほど、130センチだと最大6名は座れる、ダイニングシーンに適したサイズです。
それぞれの直径でPH 5と組み合わせてみました。
直径120センチのロゼ エンネアと、PH 5を組み合わせた場合
通常のサイズだと、照明の広がり方・フォルムとサイズ感におけるバランス共にしっくりとくる組み合わせだと思います。
光が届く範囲は、実際に見てもまだ余裕のあるよう思います。天板上はもちろん、チェアの周辺にも光は柔らかく広がり、ダイニングシーンが美しく強調されます。
直径130センチのロゼ エンネアと、PH 5を組み合わせた場合
通常のサイズのPH 5で合わせると、照明効果、サイズ感の相性共に非常に美しくまとまっています。ラウンドテーブルはこのサイズ（直径）までで検討されるお客様が多くなっておりますので、PH 5の通常サイズはラウンドテーブルで検討される際、1灯でほぼ全てのサイズ（直径）に対応できると言えます。
またサイズ（直径）120〜130センチのロゼエンネアにPH 5 Miniを合わせるとテーブルのサイズ（直径）に対して照明のサイズ（直径）が小さすぎた為、今回は省略させて頂きます。
まとめ
PH 5は食事の際に手元をしっかりと照らすことができ、暖かみのあるオレンジがかった光はテーブルに並んだ料理をいっそう引き立たせてくれます。
また、テーブルを囲む人々の表情を柔らかく美しく見せる効果もあり、複数人で使用することの多いダイニングテーブルに関しては、特にオススメできる照明なのではないでしょうか。
ただ、ひとつ気を付けたいのは、PH 5はその構造から、1灯でダイニングの周辺までを照らす照明としての利用には、
向いていないということです。
シェードから発せられる光は、上方向に3、下方向に7の割合です。
全方向に光を拡散しないため、テーブル面においては心地良い光で照らしてくれますが、その周辺付近にはあまり光が届かず、隅々まで
照らす照明に慣れている人には暗く感じてしまうこともあります。
明るさが足りないと感じる場合は、補助灯として、フロアランプやテーブルランプ、ウォールランプ等と併用して使用することをお勧めします。
今回は、ルイスポールセン社が誇る人気のペンダントライト、PH 5・PH 5 Miniについてご紹介しました。
光が優しく調和し、上質な光で空間を満たしてくれる。ワンランク上の照明であなたの暮らしを豊かにしませんか。
人や物、空間を自然に美しく照らし出す、質の高い光を追求し続けた近代照明の父、ポール・ヘニングセンが作り上げた名作照明を、お選び頂けるきっかけとなれば幸いです。
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当店アトラクトは、四国 高知にある Louis Poulsen（ルイスポールセン） 製品の正規販売店です。ルイスポールセンの公式サイトにて「正規販売店」として紹介されています。専門スタッフによる製品選びのアドバイスやアフターサービスも承っておりますので、製品に関する内容は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
アトラクト・ラルゴ店
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この記事を書いた人 スタッフ N 建築設計の経験を生かし、インテリアコーディネートの図面や3Dプランの担当しています。休日は、好きなインテリアに囲まれて音楽を聴くことが楽しみです。気になる家具を自分のお部屋に置いてみたイメージ作りのお手伝いをいたします。
