ルイスポールセン PH スノーボールのシーン別 照明効果比較 「リビング・ダイニングシーン」
創業当初から変わらず、光の質と高いデザイン性を追求し、たくさんの名作を生み出してきた北欧の照明ブランド、Louis Poulsen(ルイスポールセン)。
日本でも大変人気の照明メーカーで、中でも不朽の名作と言われているのが、1958年にPoul Henningsen(ポール・ヘニングセン)によって開発されたPHシリーズです。インテリアとして美しいだけでなく、不快な眩しさを感じさせないグレア・フリーの光を周囲に届けるように設計されています。
今回は数あるPHシリーズの照明の中でも人気の高いPH スノーボールについて、そのデザインや実際に使った時の照明効果等を交えながらご紹介させて頂きます。
PH スノーボールとは
一見、雪の結晶のような美しいフォルムが特徴的な照明、「PH スノーボール」は、ルイスポールセンのアイコン的存在である「PH 5」と同じく、PHシリーズを代表する製品として世界中の人々に親しまれてきました。
光にグラデーションがついているような美しい配光が特徴ですが、この光が生み出される秘訣は対数螺旋と呼ばれる数学の方式がシェードに応用されていることにあります。
対数螺旋によって導き出されたカーブは光がどの角度に当たっても均一な角度で反射します。
光の角度が定まる事によって、ルイスポールセンの提唱するグレアフリーな光を生み出す事に成功している、まさに名作と言える照明だと思います。
この対数螺旋をベースにデザインされたPH スノーボールならではの特徴をお話していきます。
シェードの表と裏の仕上げの違いとオールラウンダーな配光
実はPH スノーボールのシェードは表と裏で仕上げの質感が異なります。
上面を光沢仕上げ、内側をマット仕上げに塗り分けることで美しい光の効果を生み出し、上品な見た目と柔らかな灯りとを両立させています。
また名作「PH 5」よりさらにシェードの枚数が増えていることによって得られる効果は、光が照らす範囲であると思います。
下方だけではなく、水平、上方までをも柔らかく包み込むような配光で、全体照明としても十分活躍できそうな照度も兼ね備えています。
リビングシーンで使用した場合の照明効果
リビングシーンで全体照明として使用してみました。
比較的コンパクトなインテリア空間ではありますが、全体に柔らかで温かい光が広がり、一般的なペンダント照明と比較しても十分な照度が取れているように思います。
PH スノーボールの電球は白熱電球200Wまで対応しておりますので、シェードの力で柔らかくなっていますがしっかりとした光の広がりが確保できているのではないでしょうか。
ただ、空間の隅になる場所や照明から離れた空間は光が行き届いておらず、影となってしまいました。そこでアトラクトのオススメしている「多灯分散照明方式」を使って、灯りの必要な箇所に照明を配置してみようと思います。
パンテラ フロア
同ブランドで当店でも人気のPanthella Floor(パンテラ フロア)を使用して、お部屋の隅を照らしてみました。
アクリル製のシェードを透過して漏れ出した灯りは柔らかく周囲を照らしており、光が足りないと感じていた場所をPH スノーボールと同じく、グレアフリーで温かみのある灯りが包み込みます。
パンテラ 250 ポータブル
テーブルランプにはフロアランプと同シリーズのPanthella 250 Portable(パンテラ 250 ポータブル)を選択しました。
今年発表されたばかりの新作照明で、今までこのサイズのパンテラは有線仕様のものしかありませんでしたが、充電式のポータブル仕様のものが登場致しました。
有線でなくなったことにより、使用シーンに縛られない自由なスタイリングが可能となっています。
今回はPHスノーボールから離れた位置で使用して、気軽に配光を確保することができました。
VL ステュディオ Φ150
ラウンジチェアの周りの足元や壁面を照らす照明として、置き型照明であるVL Studio(VL ステュディオ)のΦ150と、小ぶりなサイズのものを選択しました。
壁面に向けて配置し、灯りが作り出す幻想的な陰影を演出することを意識しました。柔らかい配光が多い中、少しエッジを作り出す使い方で空間のアクセントとしています。
AJ ウォール
デンマークデザインの巨匠、アルネヤコブセンのデザインの中でも代表的な作品であるAJ Wall(AJ ウォール)を壁面の少し高い位置に配置してみました。
非の打ちどころのないほどのプロポーションはウォールタイプでも健在で、そこにあるだけで芸術的とも言うべき美しさがあります。
灯りはエッジの効いた陰影を作り出し、照明を使ってお部屋をデザインする醍醐味を感じさせてくれます。
シェードの付け根部分を動かして頂くことで、上下に角度を調整することができ、光の陰影を尖らせたり、また柔らかい印象にしたりと、自由に雰囲気を変えて使っていただけるのも大きな魅力です。
ダイニングシーンで使用した場合の照明効果
今回は、PH スノーボールと組み合わせるダイニングテーブルとして、2種類のタイプのテーブルを使って照明効果を検証しました。
マルニ木工 MALTA(マルタ)との組み合わせ
国内家具メーカーの最古参として、その木工技術と素材の質の高さに定評のある広島県発のブランド、マルニ木工。中でも、ヒロシマ アームチェアでも有名なマルニコレクションのダイニングテーブル「MALTA(マルタ)」は、シリーズの中でも大変好評を頂いているダイニングテーブルです。
MALTAの横幅は180センチあります。大きなサイズ感のテーブルの為、一般的なペンダント照明では一灯で天板を全て照らすのは難しそうですが、PHスノーボールだとどうでしょうか。
やはり直径自体は40cmほどなので、天板上を全て照らすのは難しそうです。ただ電球のワット数や、シェードのフォルムの特性上「PH 5」などと比較すると、光の範囲はより広く、照度も大きく感じました。
あまりテーブルの端のほうに座らない方や、あえて天板上に陰影を作り出して楽しみたいお客様にとっては良いかもしれません。
リーン・ロゼ ROSETEnnea(ロゼエンネア)との組み合わせ
ロゼトーゴ ソファでも有名なフランスの歴史あるブランド、ligne roset(リーン ロゼ)。ダイニングテーブルの中でもとりわけ人気が高い、ROSETEnnea(ロゼエンネア) テーブルと組み合わせてみました。
エンネアテーブルは直径が120センチの天板と、130センチの天板の2種類があります。120センチだと、最大5名ほど、130センチだと詰めて座ると6名は座れる、ダイニングシーンに適したサイズです。
今回は直径120センチのタイプを合わせてみたいと思います。
実際に合わせてみると、まず天板上は問題無く照らすことができました。200Wの電球を使用しておりますので、天板からの高さ60センチの場所で吊ると光が強すぎるのではないかと思っていましたが、緻密に計算されたPHスノーボールのシェードの力でグレアフリーはもちろんのこと、光の強弱に関しても温かみを感じる丁度良い照度となっています。
天板上以外もチェアの周辺まで温かく照らしていますので、家族での団欒の際にはテーブルを囲っている人の顔もしっかりと確認することができます。
リビングシーンと同じく、今回ダイニングシーンでの多灯分散照明として使用した照明をご紹介したいと思います。
PH 80 フロアランプ
空間全体としてみた時にPHスノーボールだけでは暗すぎるため、全体照明の役割となるようなものとして、フロアランプの「PH 80」を選択しました。
PH 80の直径は50cmと非常に多いことが特徴ですが、サイズの大きいシェードであるにも関わらずアクリル性で光を透過する素材であるため、全方位に光が拡散する構造になっています。
実際に配置してみると、PH スノーボールだけではカバーしきれなかった箇所にしっかりと光が行き届き、またパンテラフロアと異なる点としてPHシリーズ独特のシェードの陰影もスタイリッシュに出ております。
アクリル製のシェードより漏れ出した光であるため陰影が強く出過ぎるということも無く、グレアフリーの柔らかい光が周囲を照らし、全体照明としての機能もこのスタイリングにおいては果たせていると感じました。
PH 2/1 テーブル
ダイニングシーンのスタイリングでは、全てPHシリーズを使用しましたが、素晴らしい統一感となりました。
キッチンキャビネットの内部を照らす照明として使用したのは、PH 2/1 テーブルです。PHシリーズの中では最も小さなテーブルランプです。単純にサイズダウンしたのではなく、細部の構造や全体のバランスなどをゼロからリ・デザインされ、シンメトリーに使える美しいランプとなっております。
キャビネットの中を照らすには丁度良い配光となっており、USMハラーをより美しく見せる演出効果も感じさせてくれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
インテリア空間を印象付けるアイコンのような美しいフォルムを持ち、PHシリーズの中でも特に幅広いシーンに対応し、照明効果も使い方次第で変化させることのできる優秀な照明、「PH スノーボール」をぜひご検討いただけましたら幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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この記事を書いた人 スタッフ N 建築設計の経験を生かし、インテリアコーディネートの図面や3Dプランの担当しています。休日は、好きなインテリアに囲まれて音楽を聴くことが楽しみです。気になる家具を自分のお部屋に置いてみたイメージ作りのお手伝いをいたします。