自分の暮らしにぴったりなテーブル天板の仕上げを見つける。
日々生活していく上で最も使用するインテリアの一つ、テーブル。
テーブルについて深く掘り下げて考えてみると、ディテールの中でも、生活する上でもとりわけ接触する機会が多いのはもちろん天板です。天板に特殊な加工を施しているものはたくさんありますが、仕上げの名前を聞いただけではあまりピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回アトラクトでは、テーブル天板の表面加工に使用されることの多い、「リノリウム」「ラミネート」「フェニックスラミネート」以上3種類の天板加工の特性についてご紹介したいと思います。
リノリウム天板
リノリウムとは、主原料となる亜麻仁油に石灰岩、木粉、松脂、コルク粉、天然色素などを混ぜた、天然成分の建材のことで、普段は床材として使われることも多い素材ですが、家具の仕上げ材にも使用されます。
リノリウムのメリットとデメリット
環境に優しく、健康に全く害を及ぼさないエコロジーな素材であることから、現代でも注目され続けている天然素材のリノリウム。
公共施設などでは、以前から床材として使われています。
リノリウムが持つ天然素材ならではの特性を、メリットもデメリットも交えて一つずつ紹介していきたいと思います。
・有害物質が発生しない
天然成分で作られたリノリウムは、有害物質が発生しない素材です。そのため、シックハウス症候群の対策として用いられることも多くあります。また、廃棄するときも土にかえすため、環境を汚染することはありません。
・抗菌作用がある
リノリウムの主原料である亜麻仁油には、抗菌作用があり、抗ウイルス性が期待できることから、近年においては特に注目される素材の一つです。
・耐久性が高く燃えにくい
耐久性の高いリノリウムは、傷や凹みがつきにくい特徴を持っています。家具の移動や重量に耐えられることから、床材、テーブルの天板、椅子の座面などに適しています。また、発火する温度が非常に高いため、燃えにくい特性もメリットに挙げられます。
・アルカリ性や紫外線の影響を受けやすい
木粉やコルクなどの天然素材で作られているため、アルカリ性に弱いデメリットがあります。床材にリノリウムを選ぶ場合、アルカリ性の洗剤やワックスなどの使用はおすすめできません。
また、紫外線の影響を受けやすく退色することがあるため、日当たりのいい場所での使用には注意が必要です。
・多少変色しやすい
通常の塗料と比べると、熱と水分に弱く一度変色すると戻りにくい特性を併せもっています。変色をすると言えばマイナスのイメージにとられる方が多いですが、変色をすると言うことは、変化しやすいとも捉えることができ、時間の経過を受けやすく、人それぞれの使い方でさまざまな表情が家具に反映される仕様と言えます。時間の経過と共に個性がこれほど反映される天板加工はほかには無いと思います。
リノリウム材で天板加工されたプロダクト
実際にリノリウムで天板の表面加工を施しているテーブルを、当店で取り扱うプロダクトの中からご紹介していきます。
HAY:CPH20・CPH30などコペンハーグシリーズ
Artek
ラミネート天板
ラミネートとは、端的に言うと「プラスチックパネル」です。別名メラミン化粧板とも言います。
・メンテナンスがしやすい
プラスチックパネル自体がホワイト色なので、ペイントのように色が剥げる心配はなく、水・傷には強く、熱にもそれなりの耐性があります。リノリウムに比べるとメンテナンス面では使いやすく、お手入れ自体は楽な仕上げです。
・耐熱性には限度がある
水には非常に強い加工ですが、熱には限度がありますので、熱いものを置く時には鍋敷きなどの使用を必ずお願い致します。お手入れに関しても、簡単な洗剤で拭いていただければ日常的に問題ないと思います。
・経年変化が分かりにくい
マイナスのポイントとすれば、良くも悪くもホワイト色とラミネートという特性上、変化をしたことがリノリウムなどに比べると、分かり難い点です。ビンテージとしての経年変化があまり現れない半面、傷に強いので初期の表情が保たれるといった良い点も両方持ち合わせています。
ラミネート材で天板加工されたプロダクト
実際にラミネート材で天板の表面加工を施しているテーブルを、当店で取り扱うプロダクトの中からご紹介していきます。
Artek
フェニックスラミネート天板
フェニックスラミネートは、2013年にイタリアのArpa社によって開発された、ナノテクノロジーを使った最先端のハイテクノロジー素材です。意匠性が非常に高いことから、現代のインテリアデザインの世界に革命をもたらしたといっても過言ではない素材です。
・高い耐久性と、耐薬性
フェニックスラミネートの約60%は紙層ですが、ラミネート加工中に熱処理と圧縮処理を同時に施すことで、均質、無孔で高密度素材となります。紙層といっても耐久性、撥水性があるため、キッチンなどの水回りや、アウトドア用に使用しても問題のないレベルの、高い耐久性があります。
耐薬性も高く、気になる汚れもアルコールでさっと拭いて清潔に使えることも魅力的です。屋内外問わず様々な用途に対応できる幅の広さと扱いやすさが、建築家やインテリアデザイナーに支持される理由のひとつと言えます。
・デザイン面に優れている
性能面だけでなく、デザイン面にも非常に優れています。柔らかな風合いのマットな見た目は、意匠性も高いことから フリッツ・ハンセンなど、デンマークの老舗家具ブランドでも取り入れられており、注目を集めています。
・皮脂汚れにつよい
美しい表装をもつインテリアほど、意外と目立つのが指紋などの皮脂汚れです。フェニックスラミネートは不規則な凸凹から形成された表面形状のおかげで、皮脂汚れを付着させません。防汚コーティングや、テーブルクロスなどを使わずに、本来の素材の美しさを楽しむことができます。
・熱でキズを修復
気をつけて大切に扱っていても、テーブルを日常的に使っている以上、キズはいつかついてしまうものですが、フェニックスラミネートであれば、キズの熱修復が可能です。
ミクロなキズであれば、アイロンなどの熱、もしくはメラミンスポンジなどによる摩擦熱によって、キズを修復することができるのです。表面材構造が完全に損傷しない限り、何度でも修復を行うことが可能という優れもの。大切な家具をいつまでもきれいに保つことのできる、嬉しい特性です。
・高いメンテナンス性と抗菌性
特に小さなお子様のいる家庭や、人の集まる場所では、テーブル周りを常に清潔に保ちたいもの。フェニックスラミネートは、特殊な表面形状のおかげで菌が付着しづらい仕様になっています。
また耐薬品性をもつことから、アルコールの含まれた除菌剤も問題なく使用できます。木材のテーブルではアルコール含有のシートが使えないので、どうしてもきちんと除菌したいという方には、特におすすめです。
・環境に優しい
フェニックスラミネートはその高い耐久性から、長い期間お使い頂ける素材です。末長く使用することは、少ない消費と資源の節減につながります。大切な環境を守りながら、次の世代に受け継ぐことのできる優しい素材と言えるでしょう。
フェニックスラミネートで天板加工されたプロダクト
実際にフェニックスラミネート材で天板の表面加工を施しているテーブルを、当店で取り扱うプロダクトの中からご紹介していきます。
フリッツ・ハンセン
カール・ハンセン&サン:BA103など
USM:USMハラーテーブル
終わりに
いかがでしたでしょうか。
アトラクトでも大変人気の高い以上3種類の天板加工の特性を深く知ることで、ご自身のインテリア空間に最も適した仕上げを選ぶ手助けになれば幸いです。
【Q&A】
Q.購入したいテーブルで選択できる仕様を詳しく教えて欲しい。
A.当店にメールまたは、お電話でお問い合わせ頂きましたら、専門スタッフが選択できる仕様・特性について詳しくご説明致します。お気軽に相談下さいませ。
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製品に関する内容は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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この記事を書いた人 スタッフ N 建築設計の経験を生かし、インテリアコーディネートの図面や3Dプランの担当しています。休日は、好きなインテリアに囲まれて音楽を聴くことが楽しみです。気になる家具を自分のお部屋に置いてみたイメージ作りのお手伝いをいたします。