CH24 Yチェア(ワイチェア)は、
ハンス J. ウェグナーがカール・ハンセン&サンのためにデザインし、
1950年から生産され続けている北欧デザインを代表する名作チェアです。
ゆったりした座面の奥行きと背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、
ダイニングでも書斎でもくつろげるチェアとして、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。
LINEUP
POINT
Yチェアは、背もたれのY字型パーツやアームの曲木などが有機的に組み合わさって美しいフォルムを作り出していますが、長時間座ってもゆったりとくつろげる工夫が随所に施されています。
CH24がYチェアと呼ばれるようになった特徴的なY字形(*海外では鳥の骨に見えることからウィッシュボーンチェアとも呼ばれる)は、3枚の成形合板で作られており耐久性にも優れ、背骨に当たらずに座ることができます。アームと一体になった背もたれは、背中に当たっても痛くないように、背板と同じ角度になるよう斜めに削られています。
また、2次元カーブに削り出された後脚は、Yチェアの美しさの一つとなっています。
Yチェアは、その人気の高さから模倣品(コピー品・リプロダクト品)が出回っていましたが、2011年に日本で立体商標が認められています。立体商標とは見ただけで他の商品との違いが分かる形を商品登録することで保護できるもので、日本における例としては、ヤクルトの容器やペコちゃん人形などが上げられますが、家具の立体商標は珍しく、当時業界内では大きな話題になりました。今日ではリプロダクト品から保護されているYチェアですが、現在でも類似品を見掛けることがあります。
正規品のYチェアには座面の裏にブランドロゴやシリアル番号の記載されたラベルが貼られており、最長5年間のメーカー保証がございます。当店はカール・ハンセン&サン製品の正規取扱販売店となりますので、安心してお求めくださいませ。
Yチェアには、アームを支えるパーツが後脚と一体になっており、前側のスペースに余裕があるため、座った時に脚を左右に動かすことができ、まっすぐ正面を向いて座るだけでなく、斜めや横を向いたり、背板に寄りかかったり、自由な座り方が楽しめるのも魅力の一つです。
また、アーム部分が腕を置くのに丁度良い高さにあり、座面も広いため、別売のCH53 スツールをオットマン代わりとして組み合わせることで、食後のコーヒーや休日のリラックスタイムにラウンジチェアとして活用できるなど、ダイニングチェアとしての用途以外でもご使用いただけます。
ペーパーコードは、樹脂を含浸させた紙を縒ったコード(紐)のことで、Yチェアの座面には、1脚に約120mのペーパーコードを使用しており、熟練した職人が1時間以上の時間をかけて手作業で張っていきます。張替までの平均寿命は10〜15年程度と言われており、革や布張りの座面と同じくらい耐久性があります。
また、最初は固く張っているペーパーコードですが、使っていくうちに座る人のお尻の形に合わせて馴染んでいきます。1本1本が蝋でコーティングされており、水を弾くため汚れがつきにくいにも特徴です。
ペーパーコードを使用した椅子は本体重量も軽く、Yチェアは約4.5kgと、女性でも簡単に持ち上げられるので移動がしやすいのも魅力です。
無垢材で作られたYチェアは、時間の経過とともに色艶に深みが増して変化していきます。定期的にお手入れを施すことで、自分だけの1脚に育てていく楽しみとともに、より永くご愛用いただくことができます。アトラクトでは、メンテナンス方法やメーカーによるお修理・ペーパーコードの交換などの相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
Yチェアは、木種や仕上げ・塗装に幅広いバリエーションがあり、用途や好みに合わせてお選びいただけます。木材はビーチ・オーク・アッシュ・ウォールナット・チーク・マホガニーの全6種。ソープ・オイル・ラッカーの3種類の仕上げのほか、全18色のソフトカラー塗装があります。それぞれペーパーコードのお色をナチュラル・ブラックから選べ、座面高は標準のSH45cmのほか、日本向けのSH43cmも選択いただくことができます。
Yチェアは、背の低いチェアやアームレスチェアと比べると、アーム部分に高さと奥行きがあります。人ひとりが通るのに必要な幅(生活動線)は約60cmと言われており、Yチェアのアームの奥行きは約40cmとなっているため、最低でも「100cm(生活動線 60cm + アームの奥行 40cm)」の確保がおすすめです。
また、2脚椅子を横に並べて置く場合は、Yチェアを2脚並べて置くには、椅子と椅子の間を15cm程度開けるとゆとりを持って座りやすいと言われています。Yチェアの幅が55㎝となっているため、最低でもテーブルの脚間が「125cm以上(Yチェアの幅が55㎝ × 2脚 + 椅子の間 15cm)」あるテーブルがおすすめです。
同じカール・ハンセン&サン製品でお選び頂く場合、CH006 ダイニングテーブルやCH327 ダイニングテーブルなどが2脚並べて置くことができます。
HOW TO CHOOSE
木材を選ぶ
ビーチ材は優れた強度と美しく均一な木目模様が特徴です。硬度と滑らかで均質な表面は、すっきりとした均一な仕上がりが期待でき、各種の表面処理や仕上げに適しています。ソフトカラーもビーチ材を使用しています。
オーク材は、耐久性に優れ、くっきりと美しい木目模様が特徴です。オーク材独特の木目模様は処理後も変わらずにくっきりと見え、時とともにより温かみのある黄褐色へとゆっくり変わっていきます。
アッシュ材は、他の木材よりも淡色をしており、まっすぐに走る木目に、大理石を思わせる独特の模様が特徴です。塗装にも適しており、塗料の上からでも木材の構造が見てとれます。
ウォールナット材は、ルネッサンス時代から高級家具メーカーに愛用されており、深みのある濃い色調と装飾的な木目模様が特徴です。長年日光にさらされると色が深みを増し、やがては輝きを帯びリッチな風合いとなります。
チーク材は、細かい木目で弾力性に富んだ木材で、油脂が多いため耐候性と耐久性に非常に優れています。カール・ハンセン&サンでは、屋内用の家具はオイル仕上げで赤褐色に仕上げており、温かい輝きを放つ均一な色調へと風合いを増していきます。
マホガニー材は、優れた強度と耐久性、時を経ても色褪せすることのない美しい暗色が特徴です。繊維方向にストライプ状に現れるリボン杢と呼ばれる立体的な模様や、マホガニー独特の深みのある赤い色味はアイコニックなデザインに豊かな印象を与えます。
仕上げを選ぶ
ソープフィニッシュは、木材の美しさと自然な風合いを残した仕上げです。石鹸液を木に塗ることで石鹸の脂肪分が導管に残り、汚れが付着しにくくなります。傷が付いても研磨して修復することができ、汚れたら、石鹸液で洗うことにより再びきれいになります。経年変化は自然に進み、手入れを施すことで、少しずつ黄色く飴色に変化していきます。ソープ仕上げは、ビーチ材・オーク材・アッシュ材のみお選びいただけます。
オイルフィニッシュは、乾性オイルを木部にしみ込ませる仕上げ方法で、オイルが導管に浸透し乾燥することにより導管を埋め、湿度の変化や汚れなどから木部を守る仕上げ方法です。オイルが木部に浸透するために濡れ色になり、木の自然な色を際立たせます。また、使い込むほどに、深みのある落ち着いた色に変わってゆきます。オイル仕上げは、ホワイトオイルやスモークドオイルの色合いの異なる3種類からお選びいただけます。
ラッカー仕上げは、木の質感を残しながらも、塗膜によって表面を保護する仕上げです。木の表面に強い塗膜をつくるため、ソープフィニッシュやオイルフィニッシュに比べ、湿度・汚れなどに対し比較的強い塗装です。
ソフトカラー塗装は、水溶性のカラー塗料を使用した仕上げ方法です。摩耗に強く、色褪せが少なく、溶剤を使用する塗料に比べ、環境への影響が少ないことが特徴です。マットな仕上がりで全18色のカラーバリエーションからお選びいただけます。
ペーパーコードを選ぶ
ペーパーコードの座面は、すべて手作業によって行われ、職人の手によって当時と変わらぬ手法で仕上げられています。
ペーパーコードとは、樹脂を含浸させた紙を縒ったコード(紐)のことで、資源に制限のあった戦後に生産されるようになり、本来は収穫した農作物を束ねる用途で使用されていました。紙を縒ったペーパーコードは、革やほかの素材に比べてコストも低く、品質にばらつきがない上に、クッション性もあり、さらに使用感も優れている等の理由から椅子の座面に用いられてきました。
また、手作業によって1本1本編まれているので、同じものがこの世に一つとして存在しません。適度な緩みによるフィット感や、表面加工を施していない為、経年変化による美しく自然な古色が楽しめます。
座面高を選ぶ
SH43cm(日本サイズ)
・72cm以下のテーブルと合わせる場合
・テーブル下部のスペースに余裕が欲しい方
・体型が小柄な方やご年配の方
・シートクッションで調節も出来る
・すでにSH43cmをご使用中で追加で購入されたい場合
・納期に余裕がある方
SH45cm(標準サイズ)
・72cm以上のテーブルと合わせる場合
・身長が高い方
・国内に在庫している場合が多いので比較的短納期
MAINTENANCE
【用意するもの】
・きれいなタオル
・石鹸(無着色・無香料の純石鹸)
・カッター
・洗面器
・スポンジ
・ぬるま湯1L
・必要ならばビニールシート
・マスキングテープ
・ティー・スプーン(粉石けんを用いる場合)
1、石鹸をカッターなどでフレーク状に砕き、約1デシリットル(大さじ約5杯フレークの細かさにより加減して下さい)を、お湯1Lで溶かしさまします。
※市販の純石けん分99%の粉石鹸でも代用が可能です。
2、必要であれば座面部分をビニール等でマスキングし、溶液をスポンジに取って軽く絞り、木目に沿って全体を洗っていきます。
※ソープウォッシュを施すと経年によるヤケも落ちます。まず目立たない場所で試していただき、汚れやヤケの落ち具合を確認してから行うことをお勧めします。
3、余分なソープの泡は乾く前に拭き取ってください。拭き残しがあるとシミの原因になります。
※脚先など木口が出ているところは特に水分が染み込みやすい為、注意してください。また、過剰に水分を与えると乾燥中に木部が割れることがあります。洗浄後は必ず日影で乾燥させてください。
4、日陰でよく乾燥させます。(※ドライヤーや直射日光などで急激に乾燥させますと割れの原因になります。)
完全に乾いてから、#400以上のサンドペーパーで全体を軽く研磨してください。(※濡れた状態で使用しますと、木部がケバ立ちます。ソープで洗っても落ちない脚先などのしつこい汚れは、#240のサンドペーパーで木目に添って研摩してください。)
※ソープ溶液は気温により固まることがあります。その場合は熱湯を加えるか電子レンジで加熱し、再度 溶かしてご使用ください。
【用意するもの】
・きれいなタオル
・石鹸(無着色・無香料の純石鹸)
・カッター
・洗面器
・スポンジ
・ぬるま湯1L
・必要ならばビニールシート
・マスキングテープ
・ティー・スプーン(粉石けんを用いる場合)
・オイル(市販の家具用のもの)
・ウエスなどのきれいな柔らかい布(いらなくなった白いTシャツなど)
1、最初はソープ仕上げと同じように、汚れを落として日陰でよく乾燥させます。
2、オイルをウエスに少量取り、木目に沿って全体に薄くのばします。
3、5〜10分ほどおいてからきれいな乾いた布で拭きます。
4、一晩しっかり乾かします。
よく乾いていることを確認してからご使用ください。
表面のザラつきが気になる場合は、以下を繰り返します。
オイルを少量塗り、#400のサンドペーパーで木目に沿って研磨してください。オイルが乾く前に、きれいな乾いた布で拭き取ります。
ソープ仕上げ
普段のお手入れは、きれいな乾いた布で木目に沿って乾拭きしてください。化学雑巾は変色の恐れがありますので使用しないでください。軽いシミの除去は、かたく絞ったきれいなタオルなどでこすらないようシミを取り除き、その後表面が完全に乾いていることを確認してから、#240くらいのサンドペーパーで木目に沿って研摩してください。小さなキズも同様に研摩してください。(※サンドペーパーであまり研摩しすぎると、ソープフィニッシュをしたことで残った石鹸の脂肪分を取り除いてしまい、汚れが付着しやすくなります。その場合は再びソープフィニッシュを施してください。)
オイル仕上げ
普段のお手入れはきれいな乾いた布で拭くか、少し湿った布で拭き、そのあとすぐに乾拭きしてください。その際はなるべく木目に添って拭いてください。普段は常に乾いた状態を保ち、水・洗剤等は使用しないでください。(※濡れるとその部分がシミになります。濡れた場合は、ソープフィニッシュ後にオイルフィニッシュをおすすめします。)
ラッカー仕上げ
普段のお手入れはきれいな乾いた布、叉は科学雑巾で拭いてください。水拭きもできますが、そのあとすぐに乾拭きしてください。放置すると水垢等の原因になります。普段のお手入れは乾拭きだけで十分です。座面のペーパーコードや布地は、濡れるとその部分がシミになります。マスキングテープやビニール袋などでカバーしてから作業することをおすすめします。頑固な汚れには、水1Lに小さじ1杯程度の台所用洗剤を落とし、布を浸し固く絞ったあと、汚れた部分を拭いてください。この場合もすぐに乾いた布で水分を拭き取ってください。
ペーパーコード
掃除機でペーパーコードの間のホコリを取り除いてください。濡らしてしまった場合は、ペーパーコードをこすらない様に注意して水分を取り除き、陰干しして完全に乾燥するまでは使用を避けて下さい。(※無理にこすったり、濡れたまま御使用になりますと、ペーパーコードの寿命を短くする恐れがあります。)
ペーパーコードは丈夫なものですが、年数とともにたるみ、磨耗、劣化していきます。張替え時期は個々の使用状況によって異なりますが、大体10-15年程度といわれています。当店アトラクトは、Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)製品の正規取扱販売店です。カール・ハンセン&サンの職人によるペーパーコードの張り替えも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
アトラクト・ラルゴ店
tel:088-880-9877(受付時間 10:30 – 19:00)
e-mail:info@attract-em.com
Yチェア専用シートクッションを使用することで、ペーパーコードの摩擦を減らすことができるので寿命も伸ばすことができます。純正レザークッションやアトラクト・オリジナルクッションを販売しており、厚みは約3cmとなっています。より柔らかな座り心地となり、少しの高さ調整としてもおすすめです。
RANKING
アトラクトで人気のCH24(Yチェア)をご紹介。
Yチェアは豊富なバリエーションがあるので、
はじめてのご購入で仕様に迷われている方はぜひご参考ください。
INFORMATION
オンラインショップでCarl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)社の不朽名作チェア、CH24 Yチェア(ワイチェア)をご購入頂くと、アトラクト・オリジナルのウルトラスエードを使用した専用シートクッションを脚数分プレゼント致します。シートクッションは使用することで、座り心地が良くなるのはもちろんですが、ペーパーコードの寿命を伸ばしたり、汚れから守ってくれたりと様々な役割を果たしてくれます。Yチェアやその他のインテリアとも合わせやすい、落ち着いた色味で制作しておりますので、3色の中からお好きなカラーをお選びくださいませ。
2024年4月2日のハンス J. ウェグナー生誕110周年を記念して、お子様向けの CH24(Yチェア)、チルドレン・Y チェアが発売されます。1949年にデザインされたウェグナーの傑作が長年の構想を経て、この度初めて3歳のお子様からお使いいただけるサイズになりました。その小さなサイズにも関わらずチルドレン・Y チェアの製作過程はオリジナルのCH24と同様に複雑で、小型化は極めて困難なものでした。椅子の本来の外観を保ちながら完璧なプロポーションに仕上げるためには、パーツを単純に同じ比率で縮小するわけにはいかず、個々のパーツの寸法を改めて割り出すことで実現に至りました。このアイコニックなチルドレン・Yチェアは、2024年4月2日から2025年3月31日までの1年間だけ受注期間限定で販売します。
DESIGNER & BRAND
1914年、デンマークのトゥナーに生まれる。弱冠17歳で家具職人のプロライセンスを取得後、1939年よりアルネ・ヤコブセンとエリック・モラーの共同事務所に入所、オーフス市庁舎の家具デザイン等を手掛ける。1949年、カール・ハンセン&サン社との仕事を開始。翌1950年に発表された「Yチェア」は、氏の代表作として、今なお世界中で高い評価を得ています。ミラノトリエンナーレのグランプリをはじめ受賞歴は数多く、1995年には永年の功績をたたえ、故郷のトゥナーに「ウェグナー美術館」がオープン。およそ70年の創作期間で手掛けた椅子のデザインは500種類以上にのぼるといわれます。